大和ハウス工業(株)が施工する日本最大級のサーモンの陸上養殖施設に、Basilisk HAが配合されたプレキャストコンクリート構造の地下ピットが納入されました。陸上養殖施設で自己治癒コンクリートが採用されたのは日本初の事例です。
【概要】
現場:静岡県駿東郡小山町湯船下原
規模:敷地面積56,762.26㎡、建築面積27,641.96㎡
用途:閉鎖型陸上養殖施設
製品:Basilisk HA
納期:2021年10月
【陸上養殖施設の水槽(ピット)とHAは相性が良い!!】
Basiliskはひび割れ発生時にコンクリート内部に供給される水と酸素が引き金となって、バクテリアの代謝機能を促し、排出される炭酸カルシウムが発生したひび割れを修復する仕組みです。
養殖の過程では水槽の中でバクテリアが多く発生するため、バクテリアを活用した自己治癒コンクリートは相性が良いという評価で採用に至りました。
【Basilisk HAで引渡し前のメンテナンスリスク低減】
この現場は工期が二年以上あり、お施主様への引き渡しまでの間に発生してしまったひび割れは補修が必要となります。この引渡し前補修作業リスクが、自己治癒コンクリートによって低減することを期待しています。
【プレキャスト鉄筋コンクリート構造で現場省人化】
今回の構造物は、スプリットピット(地下ピット)という深さが地下7mまである水槽で、魚を育てるいけすの丸タンクと、ろ過水槽を繋いで水を分配する中継槽の機能を持った鉄筋コンクリート構造物です。
従来の現場打施工では、7mの深さのある構造物は施工が難しく、人手も工事期間も多くかかります。そこで今回は、構造物を6ピースに輪切りにしたプレキャスト製品にし、製品と製品の鉄筋のつなぎは、モルタル充填式継手を採用しました。
これにより製品を現場へ搬入して積み上げるまでの所要時間は、2日間で合計6時間程度に抑え、現場での施工時間と必要人員を大きく低減することを可能にしました。
【同施設で他の水槽でもBasilisk HA採用を検討】
この陸上養殖施設には、他にも多くの大型コンクリート製水槽があります。今後は効果のある部位を選定してHAを配合した生コンを現場打ちコンクリート水槽に採用することも検討しています。
【施工会社情報】
会社:大和ハウス工業株式会社
創業100周年にあたる2055年を見据えて、2016年度に環境長期ビジョン“Challenge ZERO 2055”を策定しました。サステナブル(持続可能)な社会の実現を目指し環境負荷“ゼロ”に挑戦しています。